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太陽系外縁部関係の記事 その2

 前回の記事に引き続き、今回も太陽系外縁天体に関する2題です。

1. 前の記事でも紹介した、New Horizons探査機からのUltima Thule最接近時に撮影された映像が公開されました。
ウルティマ・トゥーレの鮮明な画像
すでに報道されているように、この天体は大小二つの球体が接合した雪だるまのような形状をしており、大きい方(直径19km)の天体がUltima, 小さい方(直径14km)がThuleと非公式に呼ばれています。もちろんUltima Thuleという名が付けられた時点ではこのような形状をしている事は解らなかったのですが、結果的に二単語の名をつけたのが偶然ぴったりの結果になりました。この形状は、太陽系形成の初期段階で、二つの天体が相対速度がほぼゼロの状態で衝突したためと推定されています。

追記:さらにその後の映像によって、UltimaとThuleは両方ともに球形よりもかなり扁平である事が明らかになってきました。
最果ての天体ウルティマ・トゥーレはパンケーキ形だった
記事にも書かれてるようにこの形は相当に想定外で、太陽系生成時にできた微惑星の形状がこのような形をしていたという事を意味するとなると、それを説明できる理論の修正が必要になるのでしょう。

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テーマ:宇宙・科学・技術 - ジャンル:学問・文化・芸術

太陽系外縁部関係の記事4題

 このブログのタイトルにある「宇宙」と「SF」に関して、SF関係は今年もそれなりに書いてきたのに対して、宇宙の方は色々新発見等があったにも関わらず、気分的な忙しさにかまけて一年以上何も書いてきませんでした。ブログタイトルのつじつま合わせという感もありますが、今年も明日で最後となったこの時期にまとめていくつかの話題を書いておきます。

1. 以前にこのブログの宇宙関係記事で取り上げた太陽系外からの天体オウムアムアは、その後の研究で系外惑星系が形成される際に放出された彗星である可能性が強いとされています。最新鋭の天文位置衛星GIAAのデータにより700万個の恒星についてその運動を計算し、オウムアムアと過去に遭遇した4つの恒星を見出した研究結果が発表されています。
ガイアが明かすオウムアムアの故郷
 ただ、この日本語の解説記事でははっきりしないですが元論文のアブストラクトを読むと、4つの候補のうち最もオウムアムアと近づいた M2.5の赤色矮星HIP 3757でも100万年前の最接近距離が0.60±0.07pcと結構離れており、さらに相対速度が24.7km/sもあります。第二の候補であるG5矮星HD 292249は相対速度は10.7km/sと比較的小さいものの、380万年前の最接近距離が1.6pcもあり、こちらも故郷候補としては厳しそうです。また、連星系や巨大惑星が存在する系ならば大きな速度で天体が放出される可能性があるものの、これらの候補星は今のところ単独星と考えられています。

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初めて観測された太陽系外からの天体

 最近発見された小惑星状の天体が、その軌道運動からどうやら太陽系外から飛来したものとほぼ確認されました。
観測史上初の恒星間天体か、小天体A/2017 U1
 リンクした記事にもある通り、この直径が400m未満の天体A/2017U1の軌道は離心率の大きな恐らく双曲線であり、さらに黄道面から非常に大きくずれています。以下のリンクはNASAのホームページで見つけたその軌道図です。A/2017 U1の軌道
 過去の軌道を辿ると、A/2017 U1はこと座の方向から太陽系に入り10月9日に太陽に最接近後、現在はペガサス座の方向に向かって太陽から秒速44kmで離れているという事で、このスピードも確かに地球軌道付近での太陽系からの脱出速度を超えています。

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さらに太陽系に接近する事が判ったGliese710

 2013年12月19日に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関の天文位置衛星Gaiaは、1989年に打ち上げられたHipparcos衛星の後継機であり、太陽-地球系のL2ポイントの周りを周回しながら銀河系全体の星の1%に当たる10億個の恒星の位置と固有運動を5年間で計測する計画です。現時点ですでに200万個の恒星についてデータが得られていますが、当然の事ながらHipparcosによる観測よりはるかに精度が良く、その結果かなり以前に書いた記事で一度紹介したGliese 710が、135万年後に以前の予想よりさらに太陽系に接近する事が明らかになりました。
太陽から2兆kmまで近付く星、グリーゼ710
 驚いたのは、Hipparcosの観測では太陽に最も近づいたときの距離が1.1±0.58光年だったのが、新たなGaiaでの観測データによると0.24±0.09光年と以前の誤差限界よりもさらに近くなっている点です。地上からでは実現不可能なレベルの精密な恒星の位置・固有運動測定が可能というのがHipparcos衛星の売りだったのですが、意外にもかなりの誤差があった事になります。実はプレヤデス(すばる)星団の距離に関してもHipparcosによる計測に誤差があった事が指摘されており、これは衛星が計画されていた静止軌道に入れず、極端な楕円形であるトランスファー軌道のまま運用されていたのが理由なのでしょうか。また、この種の話では、初めの測定では極端に近づきそうだったのが後の精密測定の結果それほどでもない、というパターンが普通なので、その逆というのもかなり珍しいのでは。

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NASAの外惑星探査に関する3題

最近は太陽以外の恒星をめぐる惑星(系外惑星)に関するニュースが盛んに報じられていますが、ある程度以上詳しく調べられるのはまだまだ太陽系内の天体に限られており、ましてや探査機による接近調査が可能なのはその中でも限られた天体にすぎません。そして木星以遠の外部太陽系への探査機に関しては、現時点ではまだNASAの独擅場です。今回はそれらの探査機に関する最近の話題です。

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