NASAの外惑星探査に関する3題

最近は太陽以外の恒星をめぐる惑星(系外惑星)に関するニュースが盛んに報じられていますが、ある程度以上詳しく調べられるのはまだまだ太陽系内の天体に限られており、ましてや探査機による接近調査が可能なのはその中でも限られた天体にすぎません。そして木星以遠の外部太陽系への探査機に関しては、現時点ではまだNASAの独擅場です。今回はそれらの探査機に関する最近の話題です。

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宇宙開発3題

 しばらくブログを放置していましたが、先月から今月にかけて宇宙開発関係でいくつかニュースがありましたので、それらをまとめて取り上げます。

1. NASAの有人月面探査計画の前倒し
これは2/25に報じられたニュースで、2021年以降に計画されていたオリオン宇宙船による有人月探査を、トランプ大統領が2019までに行うように指示したというものです。第一印象では良かったというよりも無理に急がせすぎと感じたのですが、記事をきっちり読んでみると、2019年に前倒しされるのはあくまで月軌道への有人往復であり、月面着陸は入っていないようです。となると、次のトピックにある民間の計画とかなり内容が被るのですが。

2. スペースX社による有人月周回計画
スペースX社、2018年末に民間人2人を月周回軌道へ
1のニュースでもすでにやや無理があるのでは、と感じたのですが、こちらのニュースには本当にびっくりしました。まだ試験フライトも行っていない機体によって2年以内に有人で月往復とは、ちょっと正気の沙汰とは思えないのですが、本当に成算があるのでしょうか?しかも専門の宇宙飛行士ではなく、民間人を乗せた宇宙旅行、はっきり言えば月観光旅行な訳で、普通に考えれば相当の安全性が必要なはずの事業です。そもそもこれが本当に2018年末までに行われたら、1のNASAによる計画を出し抜いている訳なので、ジョークニュースなのか真面目なニュースなのか、反応に迷うところです。

3. 「あかつき」の大気観測カメラ故障
YOMIURI ONLINEの記事JAXAの発表とでニュアンスが異なるものの、5台のカメラのうち2台が故障して復旧も不可能という事は動かない事実です。おそらくカメラの耐用年数が過ぎたのでしょうが、それ自体はあかつきが計画当初の軌道に乗らなかった時点で当然想定された結果で今更驚くほどの事ではありません。一昨年7月に当初の計画よりはかなり離れているとはいえ金星周回軌道に乗ってハヤブサに続く「成功美談」が賞賛されたものの、その後の観測結果がほとんど報じられなかったので妙だなとは思っていました。私には、やはりあかつきもハヤブサ同様の「失敗」だったとしか思えません。少なくともハヤブサ・あかつきを成功として持ち上げているようでは話にならないのでは。

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ヨーロッパ・ロシア共同の火星探査ミッションExo Mars

 ヨーロッパ・ロシア共同の火星探査ミッションExoMarsによる着陸実証機Schiaparelli(スキアパレッリ)が着陸直前に消息を絶ち、どうやら着陸前にエンジン噴射が止まって墜落した模様です。
着陸実証機「スキアパレッリ」は火星に激突の可能性
ExoMarsミッションは2016年3月14日に打ち上げられた微量ガス周回探査機(Trace Gas Orbiter; TGO)と着陸実証機Schiaparelli、そして2018年打ち上げ予定の探査車の3つで構成されており、火星の大気を調べて現在の火星で地質学的、生物学的な活動が起こっているかどうかを調べるのが目的です。
欧・露の探査ミッション「エクソマーズ」が火星に向け出発
今回失敗したSchiaparelliの主な目的は将来のミッションに向けての大気突入、下降、着陸技術の実証で、着陸後には短期間ながら表面での環境調査を行う予定でしたが、全て水泡に帰しました。改めて惑星探査の困難さと、はるかに遠い冥王星でも正確に作動する探査機を運用したNASAの技術力のすごさを再認識しました。尤も、火星周回軌道上のTGOの方は特に問題なく作動しているようなので、こちらのミッションで予定以上の成果を出してほしいものです。

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プロクシマ・ケンタウリのハビタブルゾーンに発見された惑星

 太陽系から最も近い恒星である赤色矮星プロクシマ・ケンタウリの周囲を公転する惑星が発見され、しかも生命の発生が可能だとされるハビタブルゾーンに存在している地球型惑星のようです。
太陽系に最も近い恒星に地球サイズの惑星を発見
リンク記事にもある通り、公転半径は700万kmで11日周期で公転しており、惑星の質量は地球の1.3倍という点は生命の存在に好都合そうなのですが、赤色矮星の惑星に一般的なように主星からの距離が相当に近いため紫外線やX線を地球よりもかなり多く受ける可能性が高く、条件としてはかなり厳しいかもしれません。また同じ理由で潮汐力により一方の面を常に主星に向けていて暴風が吹き荒れていると思われますが、これに関しては同様の天体が太陽系に存在しないために実際の所はどうなのかは解りません。

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Juno探査機の木星接近

 この5月まで何とか広告が出ないようにこのブログの更新を続けていましたが、忙しさにかまけて放置しているうちに前の記事から30日が経ち、広告が出るようになってもさらに放置していました。実はある本の感想記事を書きかけなのですがうまく纏まらずに中断しているので、とりあえず宇宙探査関係の新たな記事を書きます。
 2011年8月5日に打ち上げられたNASAの木星探査機Junoが木星の磁気圏内に入り、本格的な観測が始まる模様です。NASAの探査機と言えば、昨年冥王星探査を行ったNew Horizonsも木星の観測を行っていますが、この時は打ち上げからわずか13ケ月で木星を通過しています。それに比べてJunoの木星到着がはるかに時間が掛ったのは、この探査機が通過型ではなく木星周回軌道に入る滞在型のため、木星に対して小さな相対速度で近づく必要があるためです。実際Junoは一旦火星軌道の外側まで出てから再び戻って2013年10月9日に地球スイングバイを行い、そこで速度を得て木星接近軌道に入りました。またこの探査機は外惑星探査機としては初めて原子力電池ではなく大きな三枚の太陽電池を電源として使っています。90年代にやはり木星周回軌道に入ったGalileo探査機とは異なり、Junoは極を通る周回軌道で木星系の観測を行う計画です。
 ところでNew HorizonsとJunoとは共にニューフロンティア計画と呼ばれる一連の宇宙探査シリーズの一つで、3番目の探査機であるオリシス・レックス(OSIRIS REx)が今年の9月に打ち上げ予定です。こちらは小惑星サンプルリターンミッションであり、2023年に地球帰還予定との事です。

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