レックス・ルーサーとドナルド・トランプ

 アメコミ(正確にはそのうちのDC世界)ヒーローであるスーパーマンの最も重要な敵役であるレックス・ルーサーは、「禿げ頭の天才科学者」だけではなく、アメリカを代表する巨大企業のオーナーさらに政治家としての属性も持っています。そして所謂DVユニバースにおいては、彼が米国大統領となりその権力を利用してスーパーマンを始めとするヒーローと対決するという一連の作品群が存在しています。例えばこのブログで取り上げた「より良き世界」とそこから続くカドムスアークの作品は、やや変則ではありますがその世界線の物語です。
 さてトランプ大統領の就任以降、現実の米国がルーサー大統領の米国に重なるとか、トランプ大統領よりルーサー大統領の方がましだ、などの半ば冗談交じりの嘆きがネット上で見られています。しかしながら、おそらく彼らが思っている以上にトランプとルーサーとの相似は近く、この先の世界の混迷は冗談では済まないかもしれません。

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一連の将棋ソフト不正騒動に関しての感想

 「対局中にスマートホンによって将棋ソフトを使用した」として三浦九段が年内の対局停止処分を受けてからの一連の騒動が、将棋連盟の新会長就任によって一旦の小休止を得たこの時点で、私がこの件に関して感じた事を書いてみます。私自身は昔は将棋をたしなんでいたものの、ここ数十年はほぼ指していない全くの部外者ですが、その分事件の当事者に対する思い入れ等がほぼなく、所謂「岡目八目」で外野から騒動を見る事ができたと思います。

 まず将棋連盟が三浦九段に対局停止の処分を下した時点で、私を含め多くの人の感想は、連盟が事実上の「クロ」判定ともいえる対局停止処分を下す以上、ほぼ間違いのない不正の証拠があるのだろう、というものでした。ところがその後の第三者委員会による調査で、不正の証拠と言えるものは全くなく、それどころか対局中の30分の離席等の状況証拠さえ実は事実無根であり、三浦九段が不正を行ったと判断できる根拠は一切ない事がはっきりして、その結果谷川会長の辞任とその後の佐藤新会長選出という事態になった訳です。
 ここで問題なのは、なぜ証拠がない状態で連盟が三浦九段の処分に踏み切ったのかという点です。これは羽生との二枚看板棋士である渡辺竜王が竜王戦の直前に三浦の不正疑惑を週刊文春にリークし、彼の処分がなければ竜王戦のボイコットも有り得るとゆさぶりをかけた結果とされています。週刊文春はそれまで政治家を含む有名人の疑惑を再三取り上げ、しかもそれが事実だったという実績があるため、ここにそのような記事が載れば将棋界のダメージが大きすぎると判断した谷川会長ら執行部が、三浦九段処分に踏み切ったという経緯です。

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「第五惑星の娘たち」か、それとも「デッドゾーン」か -- アメリカ大統領選挙

 「第五惑星の娘たち」は、1955年に書かれた(リチャード・ウイルスン)SF小説で、日本では1965年に創元推理文庫から出版されています。粗筋は以下のブログに詳しく書かれています。イクシーの書庫:第五惑星の娘たち
1999年(書かれた時代では近未来)のアメリカは大統領を始めとするほとんどの公職が女性で占められた女天下となっていた、そこに異星からの侵略があって・・・という女性の社会進出を揶揄している作品なのですが、現在の目で見ると真面目に読める内容ではなく、私自身も最後まで読み通すのが苦痛なほどでした。それをここで取り上げたのは、内容にはほぼ関係のない「なぜアメリカで女天下が実現したか」というきっかけの点に関してです。
 ある年の大統領選挙で、二大政党がどうしようもない腐敗政治家とゴリゴリのタカ派軍人をそれぞれ候補に指名した結果、第三党の女性候補が当選し・・・というのがその経緯なのですが、これが現在進行中の大統領候補者選びにかなりシンクロしています。基本的に米大統領選挙の現システムは二大政党以外に極めて不利であり、通常はまったく勝ち目はないのですが、もし共和党でトランプ、民主党でサンダースが選ばれたら第三党の候補に勝機があるのではと思われ、実際にブルームバーグが出馬の可能性を見せていました。(個人的にはサンダースを支持したいのですが、実際に候補になっても民主党の票をまとめられないでしょう。)現状ではクリントンが苦戦しながらも民主党候補になりそうなのでブルームバーグも出馬を見送り、この「第五惑星の娘たち」のシナリオはほぼなさそうです。
 一方でより現実味があって恐ろしいのが、スティーブン・キングの名作ホラー「デッドゾーン」へのシンクロです。この作品に登場するスティルソンは、敵を作り憎悪と分断を煽るその手法や支持者の過激な行動が現在共和党の候補者選びでトップを走るトランプを思わせる人物であり、主人公の超能力者は彼が大統領となり世界を破滅に導く近未来を観て、それを変えるためにスティルソンの暗殺を決意します。現状では例えトランプが共和党の指名を獲得しても本選挙ではクリントンに勝てないとは思いますが、クリントン自身もメールスキャンダル等の弱点を抱えており、今後さらにスキャンダルが出れば失速しかねない状況です。「デッドゾーン」はかなり有名な作品なので、トランプとスティルソンの相似に気付いている人はアメリカでもかなり多いと思うのですが、それを公言する事は「トランプを暗殺して排除せよ」と示唆する事につながるので、責任ある立場の人は言えないのかもしれません。

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