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不機嫌なStarTrek: ST-ENTを見終わっての感想

 今回の「まるごと」によってStarTrek Enterpriseの最終第四シーズンが一挙に放送され、このシリーズだけでなく、現時点で存在しているStarTrekの映像関係はすべて日本で放送されたことになります。表題の「不機嫌なStarTrek」という言葉はふと思いついたものですが、このEnterpriseというシリーズにぴったりな気がします。
 とにかくArcher船長がずっと不機嫌で、それはShranの要請に答えるかどうかT'Polとやり合う最終話まで続きました。第三シーズンは状況が状況だから仕方ないとはいえシーズンを通してイライラしていましたし、第四シーズンに入っても機嫌が良い船長のシーンはあまり記憶にないです。これは吹き替えにも問題があるのでしょうが、彼の喋り方は普通のときでも不機嫌というか常に喧嘩腰に聞こえます。
 また元々T'Polと対立する場面が多かったTuckerは、第三シーズ途中で彼女と「親密な」関係になってからも、却って彼女と話すときは妙に喧嘩腰になり、観ているこちらまでイライラさせられました。T'Polの方も「売り言葉に買い言葉」とも言うべきかTuckerに対してつっけんどんな態度を取るので、何でこんな事で反発しあうのか、二人とも素直になれないものかとずっと感じ続けていました。それに感情を表に出さないVulcan人だから仕方ないとは言え、元々T'Polは大抵の場合仏頂面なので、これもまた不機嫌に見えてしまいます。
 さらにReedがまたいつも情けないような表情と喋り方をしているのも気になりました。特に第四シーズン終盤でのSection31がらみの事件では、船長の不機嫌さと相俟って観ていて陰々滅々として来ます。Dr. Phloxの妙な陽気さも、決して雰囲気を明るくするものではなく、却って状況の悪さを際立たせる場合が多かったと感じます。レギュラーのうちで明るいと言えるのは最も影の薄いMayweatherくらいのもので、ここまで不機嫌な表情が目立つシリーズは、StarTrekの中でも他に例がないように思います。
 この不機嫌さは、現在の国際社会におけるアメリカを象徴しているかのようです。StarTrek各シリーズの艦長たちは、その時々のアメリカの象徴であるという説は、このENTについても当たっているようで、自分たちは「世界を救う」つもりでがんばっているつもりなのにまったく理解されず、他の国々から聞こえてくるのは独善的だという非難ばかり、ついには国連総会で大統領を悪魔と罵る「悪の枢軸」の演説が拍手喝采を浴びる始末ですから、不機嫌になるのも当然かもしれません。そう考えれば、この「不機嫌なStarTrek」は、黎明期というべきTOSから始まって開花期のTNG, そして爛熟期のDS9とVOYを経て、衰退期に入ったこの長大な宇宙劇の末期の姿なのかもしれません。

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