赤い大公 -- ハプスブルク家と東欧の20世紀 (ティモシー・スナイダー著:慶應義塾大学出版会)

 スイス北東部に端を発するハプスブルク家は、16世紀には婚姻関係を利用して中部ヨーロッパとイベリア半島を領する大帝国の支配者となったヨーロッパ随一の名門王家です。このうちスペイン系ハプスブルク家は1700年に途絶えますが、オーストリア系ハプスブルク家はその後も中欧を支配し続け、20世紀初頭においてもオーストリア・ハンガリーを中心とする「ハプスブルク君主国」として大国の地位を保ち続けていました。(実は有名なマリア・テレジアでオーストリア系ハプスブルク家の男系は途絶えており、彼女以降の王家の正式名称は、ハプスブルク=ロートリンゲン家です。)フランツ・ヨーゼフ1世を皇帝として戴くハプスブルク君主国にはさまざまな民族がその文化を保ったまま共存しており、それら多くの民族を纏める要としてハプスブルク家の王族たちが存在していたのですが、この本はその王族の中でも皇位からはやや遠いカール・シュテファン・フォン・エスターライヒ大公とその子供たちが、20世紀前半の激動の時代をどのように生きたのかがテーマとなっています。タイトルの「赤い大公」とはカール・シュテファンの末子であるヴィルヘルムの綽名で、ハプスブルク本国の意向に反する形でウクライナ独立に肩入れしていた事がその呼び名の理由となっています。

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