白い花びら (アキ・カリウスマキ 監督)

 「20世紀最後の無声映画」と銘打った、全編モノクロの無声映画作品です。本来のタイトル"Juha"は主人公の農夫の名で、フィンランドの作家ユハニ・アホによって1911年に描かれた同名小説の何回目かの映画化との事です。物語の内容も含めて途中までは「今更いくら何でも時代錯誤では」と思って観ていたのですが、後半になって段々と引き込まれていきました。無声映画である分、余計に音楽も印象的です。ネット上のレヴューにありましたが、下世話で卑俗な三角関係の悲劇を「おとぎ話」として再構成して描いた映画とでもいうべきでしょうか。
 冒頭の場面では1950年代辺りに思えるのに、変わってしまったマルヤがユハに手抜きの冷凍食品ばかりを出す場面では80-90年代に思えるなど時代はほぼいつでも良い、正に「昔々あるところに」という物語であり、復讐のために乗り込んだユハが胸に拳銃を二発食らっても平然として誘惑者シュメイカを倒すという超人的な立ち回りも、おとぎ話の英雄として見れば違和感はありません。マルヤと赤ん坊を逃がして全ての目的を果たしたユハが、ゴミ捨て場で死んでいくシーンは、「灰とダイヤモンド」のラストシーンのオマージュなのでしょうか。
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