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ブロントメク! (マイクル・コニイ著:サンリオSF文庫)

 マイクル・コニイは1932年に英国のバーミンガムに生まれ、処女作を発表したのが1968年というかなり遅咲きのSF作家です。所謂ニューウエーブ系の作家の一人として主に70年代に活躍し、この「ブロントメク!」も1976年の作品です。なお、1972年にカナダのバンクーバー島に移住しており、2005年にブリティッシュコロンビア州でなくなっています。以前に紹介した「恋人たち」で触れたpiaaさんのブログレヴューで、この作品が「恋人たち」と似てると書かれており、興味を持って読んでみました。なるほど、特に作品のポイントとなる無定形生物「アモーフ」が恋人たちのラリサと重なっており、また舞台となる惑星アルカディアが銀河規模の超巨大企業ヘザリントン機関に惑星ごと買収されてしまう原因となった惑星の生態系描写なども含めて、確かに「恋人たち」を思わせます。この惑星の生態系はSFとしても非常に魅力的な題材で、この作品自体ではそれほど展開に関係しないのですが、1973年に書かれた本作の前日話 "Syzygy"で主題として使われているようです。
 ところでこの「ブロントメク」という作品名は、作中に登場する半自律型巨大トラクターの名前から取られています。実のところ同じくヘザリントン機関がアルカディアに持ち込んだアモーフの方がはるかに作品の展開に直接関係しているので、ブロントメクの方をタイトルとしているのはやや奇妙な感じがしますが、惑星全体を買収した巨大企業が住民の意思など意に介せずに力ずく金ずくで開発を推し進めるその象徴としての巨大トラクターの大群と考えると、確かにこちらの方が作品名にふさわしいのかもしれません。これはまた、現在の日本でも沖縄や原発の集中立地する過疎地域で普通に見られる構図です。
以下の追加部分はネタバレとなります。

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