不安が不安 (ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督:ドイツ映画)
「シナのルーレット」に続き、その一年前(1975年)に撮られたファスビンダー監督のテレビ用映画です。それもあって、ファスビンダー作品としてはかなり抑えたストーリー展開や描写による上品な社会派ドラマ仕立てとなっています。裕福な家庭の専業主婦マーゴットが2人目の子供を妊娠中に理由の分からない不安に襲われ、出産もそれがさらに酷くなって次第に奇行に走るようになり遂には精神を病む、という粗筋はファスビンダー本人によるオリジナルではなく、ドイツの小都市に住む主婦の実体験に基づく原稿を原作にしたものです。原作者アスタ・シャイプは後にこの原稿を長編小説として出版し、作家としてデヴューしてます。
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