Justice League #37-38 「より良き世界」 (A Better World)

 第二シーズンに入ってから話の深みが増してきたと感じますが、その中でも最も考えさせる内容の話でした。これまでもルーサーを始めとするヴィランたちとの戦いで、ジャスティス・リーグの考え方が甘過ぎるのではと感じる場面がありましたが、「決して殺さない」というルールを止めたらどうなるかという一つの極北として描かれたのが、今回のジャスティス・ローズの世界です。
 「ローズ」と「リーグ」の二人のバットマンのやり取りにおいて、「社会を守るためには自由の制限が必要だ」という主張と「秩序よりも自由な社会の方が重要だ」という主張のどちらが正しいのかが争われています。コミックを始めとするサブカルチャーでは規制に対する嫌悪感が特に激しいため、この作品においても「リーグ」の主張に軍配が挙がっていますが、現実には必ずしもリーグの主張が全面的に正しいとも思えません。実際この作品でも、ローズのバットマン(以下Ld)の「(権力によって)八歳の子供が両親を目の前で射殺されたりしない社会を得たのだ」という主張にリーグのバットマン(以下Lg)が一旦は負けを認めましたが、確かにリーグのやり方では何時までも犯罪が減る事はないでしょう。しかしそのバットマンLdに心変わりさせたのは、レストランでのもめ事で客が逮捕されただけでなく、どうやらその客だけでなくレストランの従業員も自分たちを恐れているのを目の当たりにした事が大きかったのでしょうか。それはまた、大学でのデモ鎮圧シーンでのホークガールLdの「以前の自分たちは好かれていたのに、今では恐れられている」という言葉にも現れているようです。彼女はまた、はやるスーパーマンLdを「この世界ではそのやり方は受け入れられない」と制するなど、必ずしも「ローズ」のやり方に納得している訳ではないようです。結局ローズたちを倒すために、不倶戴天の敵であるはずのルーサーの力を借りるというのは、現実世界では必要なら「悪」とも妥協せざるを得ないというジレンマを表現しています。それにしても、あのパワー吸引銃が作れるのだったら、ルーサーはジャスティスリーグに楽勝できたのでは?ラストではそのルーサーの政治への進出が示唆されていますが、これは続編のJLUに引き継がれて、(ルーサーが大統領となって世界戦争を始めようとした)「ローズ」の世界にシンクロしていくとの事です。

 両方のホークガール共に電気ショック攻撃に一人耐え抜きましたが、これはおそらく日頃電磁メイスを使っているので、電気ショックに耐性があるのか、あるいはむしろあのメイスに電気ショックを吸収する能力があるのかもしれません。
 病院のシーンで、受付になっていたジョーカーを始めとする入院患者たちの額に二つの点があるのは、前半のドゥームズデーと同様にスーパーマンによって脳を破壊された事を示しているのでしょう。それでもジョーカーは嘗ての片鱗を見せますが、花壇で花を摘んだフラッシュに話しかけたポイズンアイビーは、「もう花を摘まれても気にならない」とは、もはや元の人格を失っているようです。
 ところでローズによってワッチタワーの武装が強化されましたが、もしかするとこれは後の伏線なのかも、という気がしています。
 最後に一つ突っ込んでおくと、危うく助けられたフラッシュにスーパーマンが「自分も(スーパーマンLdと)同じように感じる事がよくある」というのは、もしかして「いつも軽薄なフラッシュを鬱陶しく感じて殺してしまいたくなる事がよくある」という意味なんでしょうか?

リンク先に、この話に関して興味深い考察がなされています。私自身はこの内容に必ずしも全面的に賛成はしないのですが、一理あると思います。
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