SFにおける神の介入: ST-DS9

 StarTrek世界には、自ら「神」を名乗ったり、客観的に見て「神の力」としか言いようのない能力を持つ種族あるいは個人がいくつも登場します。多くは単一のエピソードのみの登場ですが、シリーズを通して何度も登場し、シリーズの展開そのものにかかわってくる「神クラスの種族」として、"Q"と「ワームホールの予言者」が挙げられます。
 QはTNG, DS9, VOYと三つのシリーズにまたがって登場しますが、DS9での登場は一回のみであり、VOYではJaneway艦長にこそ半ばストーカー的に執着しますがその行為はシリーズの大枠には影響を与えていません。従って、Qが実際に物語の展開に積極的に絡むのはTNGだけです。そのTNGは、シリーズ全体の大枠としては確かに「人類の代表者としてのPicardへの、Qによる試練」の物語なのですが、最初と最後以外では視聴者にそれを感じさせません。その意味でTNGはオーソドックスなSFシリーズの体裁を保っています。
 一方ワームホールの予言者の登場シリーズはDS9のみですが、こちらはQ以上に積極的な介入を行っています。その中でもDominion戦争の中盤において、連邦によるワームホールの機雷封鎖を解除して勝利を確信したGal Dukatの目の前で、Dominionの大艦隊を消滅させてしまうという決定的な介入を行い、Dukatの勝利を帳消しにしてしまいます。もちろん連邦側としては「神の助け」な訳ですが、ファンタジーではなくSFとしてみた場合この介入は許されるものなのでしょうか?ギリシャ悲劇における「機械仕掛けの神」の解決ですら、ここまで露骨などんでん返しはほとんどないように思えます。
 もちろんTNGの"Q Who"(無限の大宇宙)において、Borgと遭遇したPicardは最終的にQに「降伏」し、その介入によって危機を脱しています。しかしこのときは、そもそものBorgとの遭遇自体がQによる介入によってむりやり起こされたものなので、再度の介入によって正常化されただけです。DS9のそれと同等の介入シーンを同じBorgとの対決を題材として描くなら、"The Best of Both Worlds"で地球目前に迫ったBorgキューブがQの力で消滅させられて地球が救われるといったレベルであり、この解決に納得するファンは少ないでしょう。実際のところ、私がDS9をあまり高く評価していない最大の理由が、この「神による介入」の存在です。
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