Justice League Unlimited #20 "Clash"

 アメコミ世界に限らず日本の戦隊ものでも、ヒーローたちが日常生活では平凡な一市民として暮らしていて周囲の人々もその正体を知らないという設定はかなり多いのですが、今回のキャプテン・マーヴェルのように「ヒーローとしては大人なのに日常では子供」というのは、やや異色かもしれません。ある意味日本の特撮シリーズでのお家芸である、巨大変身ものに似ているような気がします。キャプテン・マーヴェルは元々は「スーパーマンの二番煎じ」としてDCと別系統のコミック誌に登場したキャラクターでしたが、著作権侵害で訴えられた挙句にDCに「移籍」したスーパーヒーローという事です。
 
今回は出だしから戦闘シーンの連続でしたが、なんと言っても見ものはスーパーマンvsキャプテン・マーヴェルの戦闘です。マーヴェルが、本来は変身のための呪文”SHAZAM”とそれに伴う落雷を武器として用いたのも面白いのですが、個人的にはむしろ、二人の戦闘に伴う建物の破壊のすさまじさが印象的でした。スーパーヒーローたちの「地球を救う」戦いが、客観的に見ていかに社会にとって迷惑かを、やや楽屋落ち的な手法で如実に表しています。もちろんそれを一般大衆の目に見せるのが、まさに今回のルーサーの目的の一つだったわけですが。
 スーパーマンによって咎められたマーヴェルの「軽率さ」ですが、この点は彼が「子供」のために世の中の複雑さが十分理解できなかったとは必ずしも言えない気がします。最終的にやはりルーサーが全ての黒幕だったという結末を知らない物語内での客観的な視点で言えば、キャプテン・マーヴェルよりもむしろルーサーを敵視し続けるスーパーマンの方があまりに頑なすぎるように見えます。実際リーグ創設メンバーの中でも、バットマンは確実にルーサーがカドムスに噛んでいる事に気づいていますが、心情的にはむしろ今回のような「メタヒューマンの暴走」を危惧し続けている訳ですし、残りのメンバーは会議の場でも黙っているだけなので、スーパーマンの主張にどこまで賛同しているかはっきりしません。
 ラストでのルーサーとウォーラーとの乾杯シーンによって、彼とカドムスとの関わりが明白になり、少なくともウォーラーは今回のルーサーの計画を知って賛同していたのはほぼ確実なのですが、Dr.ハミルトンはも知っていたのかはちょっと気になります。カドムスチームの中では一番の良識人にように見えるのですが、これは私の買いかぶりすぎなのかな。

追記:いくつか思いついたことを追加します。
旧リーグ時代は、基本的にメンバー七名の立場は対等で、ある意味それぞれが好き勝手な振る舞いをしていましたが、Unlimitedに入ってからは、一般メンバーだけでなくスーパーマン、バットマンを除く創設メンバーも個人的な考えをはっきりと言わなくなっているように見えます。実際創設者会議の場面でも、残りのメンバーは黙って座っているだけで何を考えているのかはっきりしませんし、今回もまた会議の場面でしゃべっているのはスーパーマンだけでした。個人的にはシャイアラあたりがどう考えているのを知りたいところなのですが・・・。彼女は「より良き世界」の世界においても、スーパーマンの暴走に同意していない様子を見せていましたし。
そのシャイアラですが、今回はルーサーのインタヴューにおいて彼女の名が引き合いに出されていました。確かに「一度は地球を裏切ったホークガールが現在ではまた正義のために戦っているのだから、嘗て悪事を働いた自分もその事だけで排除すべきではない」というのは文句のつけようのない正論です。彼女の裏切りの件は公式には許されているとは言え、今回のような微妙な問題では常に引き合いに出されてしまうようで、苦労が絶えないようですね。
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テーマ:アニメ - ジャンル:アニメ・コミック

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 JL時代にスーパーマンがスター研究所を一切頼っていない描写も含めると、二人の友情はあの時完全に亀裂が入ったまま修復不可能になったんでしょう。

>>私の買いかぶりすぎなのかな。
 前編をみてない人にはこのあたりの描写は肉付けが弱く見えるかもしれません。
 前編にあたるスーパーマンTASの終盤で、洗脳から解放されたスーパーマンは負傷したスーパーガールを治療するために、盟友であったはずのハミルトン博士を頼るのですが、洗脳状態で猛威を振るった鉄の男とほぼ互角に渡り合ったカーラの姿に恐怖感を抱いてしまっていた博士は、その願いを断ります。信じていた博士に裏切られたスーパーマンは、声を荒げて博士を脅迫する状態にまで追い込まれました。ちなみに、スーパーガールの遺伝子を博士が手に入れたのはこのときです。取得した細胞の使い道はお察しの通りです。
 ま、博士の対抗手段も、クリプトン星人を排除するためにそのクリプトン星人のクローンを使うものなんで、もう恐怖が理性に完全に勝ってますよね。

No title

tamakaiさま、
詳細な説明をありがとうございます。おかげで完全に納得しました。なるほどアニメシリーズのスーパーマンとジャスティスリーグとは、本当に直接につながっているわけですね。
確かに一見すると常識人のようなDr..ハミルトンが、実際にはドゥームズデイを作っていたわけですから、正に冷戦時代さながらの「恐怖の連鎖」そのものですね。
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