超新星爆発寸前のベテルギウス

 今朝の朝日新聞紙面とasahi.comに、次のような記事が掲載されていました。
ベテルギウスに爆発の兆候 大きさ急減、表面でこぼこ
オリオン座の一等星ベテルギウスは、銀河系でも最大級の大きさの赤色超巨星であり、そう遠くない未来に超新星爆発を起こすのではと言われていました。最新の観測によると、大量のガスを放出して表面に歪みが生じるるなどかなり不安定な状況にあるようで、天文学的な意味で言えば、「爆発が差し迫っている」状況にあるようです。ただし天文学での「すぐにも」は、日常的な意味での「すぐ」から千年後くらいまでの幅があるので、実際に私などがベテルギウスの超新星化を見る事ができるかはかなり微妙です。もし超新星となれば、その距離の近さからして、歴史上最も明るかったという1006年の超新星をしのぐ明るさとなるのは確実ですが、「満月を超える」となるかはやや微妙です。超巨星の爆発によるII型超新星は白色矮星の重力崩壊によるI型超新星に比べてやや暗いとされているので、600光年という近さのわりには「とてつもなく明るい」とはならないかもしれません。

 実際のところ、「大質量星が進化の末に赤色超巨星となって超新星爆発する」というシナリオは、恒星進化論てはほぼ確立しているものの、爆発前の赤色超巨星が観測されている例は一件もありません。唯一爆発前の星の記録が残っている1987年の大マゼラン雲での超新星では、予想されていた赤色超巨星ではなく青色超巨星であり、やや特異な例に分類されています。従って、ベテルギウスがこのまま本当に超新星爆発を起こすかどうかは、恒星進化理論の検証の意味からも非常に重要でしょう。

 この記事も含め、昨年末あたりからの朝日新聞は科学関係の「新発見」的な記事を、他紙に先駆けて報じているように感じます。それ自体は評価したいのですが、同時に「まだ本当かどうか判断しかねる」レベルの内容もあるようなので、第一報後の追加取材と検証もきちんとしてほしいと思います。

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