「大学生の4人に1人が平均の意味を誤解している」という報道に関して


 このところアメコミアニメの感想記事ばかり書いていますが、今回は新聞報道の内容にやや疑問があったので、それを書くことにします。24日の朝刊各紙で報道されていた内容ですが、ここではテストされた問題が明記されていたasahi.comの記事を引用しました。

大学生の4人に1人、「平均」の意味誤解 数学力調査
国公私立の48大学に依頼し、1年生を中心とした5934人にテストを解いてもらった。
 「100人の平均身長が163.5センチ」の場合、(1)163.5センチより高い人と低い人はそれぞれ50人ずついる(2)全員の身長を足すと1万6350センチになる(3)10センチごとに区分けすると160センチ以上170センチ未満の人が最も多い――のそれぞれが正しいかどうかを聞いた。正解は(1)は×、(2)は○、(3)は×だが、全問正答率は76%にとどまった。
                                             --- asahi.comより引用

 平均値(正確には代数平均)が持つ性質は(2)のみが正解であり、(1)が成り立つのは中央値(メジアン)、(3)は最頻値(モード)の性質なので、記事としては間違っておりません。しかし気になったのは、この記事を書いている記者が本当に問題点を理解できているのかという点です。おそらく「平均値は(1), (3)の性質を正確には持たないが、それほどずれておらず、通常はそれほど問題にならない」程度の認識をしているのでは。
 実際には、特に例えば「日本人の年間所得」といった社会的データの場合、平均値は中央値、最頻値から大きくずれる事がしばしばあり、平均値は「データの代表値としてふさわしくない」点が重要です。それを理解していないから、この種のデータを使った報道で「平均値」を出した見出しにしてしまい、読者に誤解を与えているように思います。
 
 それに、理系の大学入試ですら「統計」が試験範囲に入っていないため、おそらくほとんどの高校では統計関係の授業を行っていないと思うので、それを考えると正解率76%は決して低くないのでは?
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