DS9の三悪人 その2 Weyoun :中間管理職の悲哀

 この記事も前記事と同様に、昔のブログに書いた内容を再度書き直したものです。
 ウェイユン(Weyeon)が登場するのは他の二人とは異なりST:DS9の中盤ですが、その後は準レギュラー化して最期まで登場し続けます。彼の種族であるヴォルタ人はドミニオン組織において創設者種族と兵士であるジェムハダーとを仲介する中間管理職ですが、彼は創設者にかなり近い立場にあるようで、ヴォルタの中でもかなり高い地位にあると思われます。実は個々のヴォルタ人は創設者によって作られたクローンであり、劇中で登場するウェイユンは4から7までの4名なのですが、一人のクローンが死亡すると次のクローンが現れるという形なので、ある一話を除いて同時に二人のウェイユンが登場する事はありません。
 ウェイユンの特徴は何と言ってもその慇懃無礼さです。ドミニオンの中でヴォルタ人は対外折衝に当たる事が多い種族であり、従って彼も含めて外交官としての礼儀は保っているのですが、彼の場合はとにかく一言一句に棘があるというか、相手に対する嫌味を含んだ発言が目立ちます。それはシスコら連邦側を相手にするときばかりでなく、ドミニオンに加盟したカーデシアの首班であるデュカットに対しても、慇懃無礼な嫌味を浴びせかけます。そしてダマールが首班となってからはその慇懃ささえも失われ、彼とカーデシアをドミニオン内部の厄介者扱いするようになるなど、相当な悪役振りを発揮します。一方で創設者種族(可変種)に対しては絶対的な敬意を払い、それは敵方であるオドーに対しても同様で、他に対する態度とのギャップの大きさがまた異様に感じさせます。実際のところ、ヴォルタ人はジェムハダー同様に創設者によって遺伝子操作された種族であり、創設者への忠誠心を刷り込まれています。その結果、彼らが創設者に歯向かう事は、原理的にありえない事なのです。
 第七シーズンの"Treachery, Faith and the Great River" (予期せぬ亡命者)において、ウェイユンが連邦への亡命を求めるという、それまでの彼からは考えられない事件が起こります。実はこのウェイユン6は(ドミニオンにとっては)欠陥クローンであり、新たに作られたウェイユン7に命を狙われる形でオドーの元に逃げ込んだのですが、その行為もまた創設者への裏切りではなく、むしろ(セクション31の生物兵器に感染させられた)創設者種族を救うためだった事が示唆されています。さらにまた、ST-DS9最終盤で創設者に酷く罵られ、殺処分するとまで言われたウェイユン7が一人で考え込み、もしや裏切るのではという場面があるのですが、結局彼は最後まで創設者に従ってガラックに殺されました。この時の行動もまた、殺気立つガラックに対してわざとダマールの死を揶揄し、結果的に創設者を庇うかのような「自殺」のように見え、結局最期まで彼は創設者に忠実だった事が伺われます。
 そう考えると彼は、組織の決定一つ一つには疑問を持ちながらも、それでも組織に忠実に働く、正に中間管理職の典型だったように思えます。
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