命の相続人

 特に映画において、明示的に語られていない事を読み取るのが私はあまり得意ではなく、後から他人のレヴューを読んで始めてその場面が理解できるという事が時々あるのですが、このスペイン映画のラストもまたそうでした。監督のオスカール・サントスは有名ではないようですが、プロデュースしたアレハンドロ・アメナバールは、超心理学的サスペンスものの監督としてかなり有名な方です。
 自殺未遂で担ぎ込まれた女性(サラ)の恋人に銃で撃たれた上に目の前で自殺された医師(ディエゴ)が、その後異常なヒーリング能力を身につけ、回復不能なはずの患者が次々と治癒していく、ところが・・・、という展開そのものはDVDパッケージの裏に書かれているのでもちろん理解できました。ただ、その能力が「自分の愛する者には効かない」というのはやや微妙な表現で、恐らくあのヒーリング能力は他人の病気や苦しみを消すのではなく、「自分の愛する者に集めてしまう」という方が正確なようですね。この能力自体ももちろん超自然的なのですが、能力がサラの妹から持ち主の死を介して他の人に転移していくという展開にはややびっくりで、なるほどこれが正にタイトルの意味する所かと妙に納得しました。
 しかしディエゴがそれを知った後の展開が、私にはかなり解り辛かったです。ラスト近くでどうやら問題の能力がサラに移動しているらしい事が解りますが、その理由がネット上のレヴューを幾つか読むまで不明でした。なるほど確かにディエゴが自分の血液を取っているシーンがありましたね。しかしわずかな血液を相手に移しただけでその能力すべてが移転するというのも妙な気がします。それともラストの時点では、ディエゴとサラ二人共に能力を持っている状態なのでしょうか?それからサラが赤ん坊をイサベルに託する理由も、観ていた時点では理解できず、他の方のレヴューでなるほどと思いました。
 「多数の他人の救済と少数の肉親の死とどちらを優先するか」という重いテーマの映画なのですが、もしあの能力が私の想像通りのものだとすると、死病もろもろの負のオーラみたいなものがどんどん蓄積されている事になりますから、それが極まると最後はどうなるのだろうなどとややブラックな想像もしてしまいました。
 
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