ペルセウス座進攻 (セルゲイ・スニェーゴフ著:創元推理文庫)

 「銀河の破壊者」に続く、「神のごとき人々」シリーズの第二巻です。そちらにも書きましたが、人類の進攻先は「ペルセウス座」ではなくてペルセウス二重星団なので、原題がそうなので仕方ないとは言え、やや気になります。その二重星団の呼び名ですが、第一巻では欧米や日本式にh-χ(カイ)となっていたのがこちらではh-X(ハー)となっています。おそらくロシアでの呼び名は後者なのでしょうが、どちらかに統一して翻訳してほしかったですね。ついでに言うと、相手に「おたく」と呼びかけるのも、泰平ヨン以外は違和感があります。
 前作では必ずしもはっきりしなかった「破壊者」の正体や彼らと「銀河人」との関係が明らかにされ、その部分はすっきりしたのですが、あまりにも都合のよいオーランの寝返りの理由がほぼ説明されていないのは不満です。破壊大帝のあまりの無茶振りについていけなくなっての造反なのだろうとは思いますが、そうならば他にも幹部クラスの造反が相次ぎそうなものなのに、最終決戦までそのような事はありませんでした。オーランの内心を説明する部分が少しでもあれば少しは納得できたのにと感じます。彼に比べると透明人のギグの方は、トルプと同様の善良な脳筋なのだろうと想像がつくので十分に理解ができます。
 本作の初めの時点で主人公エリがいきなり結婚していて、前作でかなりのページを割いていたすみれとのロマンスがほとんど意味を失っているのも正直なところ不満です。もちろんスタートレック世界などとは異なり、異星種族同士の交配はありえない世界観である以上このロマンスは成就しえない訳なのですが、すみれが姿すら見せないとは想像外でした。
 二重星団への進撃が10年近い年月がかかるというのも、スペオペとしては妙に中途半端に現実的な設定と感じます。これだけの時間がかかるとなると、進撃を命じられたときと実際に現地についたときとでは、状況がまったく変わっているという事が普通にありそうで、スペオペ的な展開は成立しにくいのではないでしょうか。
 とにかく色々と不満とはいわないまでも違和感がありましたが、とにかくこれで銀河人と破壊者関係の話は一段落したわけで、どうやら第三作はちらりと名前の出た超種族ラミール人との対決となるようです。それにしても破壊大帝の運命はどうなったのか、最終決戦の詳細が一切わからないので気になります。
 ところでこのシリーズの「ターネフ消滅」という技術ですが、強力なのは間違いないにしても、宇宙空間をひどく破壊する最悪の環境破壊技術のように思えます。スタートレックの中で、ワープ航法が宇宙連続体にダメージを与える事が判明して・・・というのがありましたが、ターネフ消滅はその比ではなさそうです。
 
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