こうのとり、たちずさんで (テオ・アンゲロプロス監督:ギリシャ映画)

 「ユリシーズの瞳」と同じボックスで発売されているアンゲロプロス監督作品です。実は昨年末に観たのですが、文章がまとまらないままに今まで放置していました。おそらく日本での公開(1992年)の少し後にTV放映されたものを一部見た記憶があり、国境の川を挟んだ結婚式のシーンが印象に残っています。やや奇妙なタイトルは「こうのとりの宙吊りになった歩み」という原題から来ており、この原題の意味は直接的には国境線上で「大佐」が見せた片足を上げて一方の足のみで立つ尽くす様の事ですが、比ゆ的には国境を挟んだどちらの国にも属する事が出来ないでいる難民たちの姿を現しているのだと思われます。
 舞台となっているギリシャ北端のフロリナは、ギリシャとアルバニア・マケドニアの三国の国境の街で、入国許可の出ない難民たちの居住区があります。そこに取材に来たTV局の記者が見かけた難民の男が、かつてギリシャ政界のホープだったが失踪した政治家かどうかを軸にして物語が進みますが、結局のところ真相ははっきりしないまま「男」はまた姿を消します。同じボックスに収納されている「ユリシーズの瞳」や「サマール島への航海」とは異なり、時代や主人公の突然の行き来がないために比較的理解しやすいとは言え、国境の川越しの結婚式を挙げる娘が本当に「男」の実の娘なのか、また「男」はどこに向かったのかなど、説明されないままの事が多いやや難解な映画でした。
 なお、この映画の撮影中に、地元の司教がこの映画は非愛国的で不道徳であるとして、アンゲロプロスを助けるものは破門すると宣言するという妨害事件があり、その事件が「ユリシーズの瞳」の初めの部分に描かれています。
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