重力波の初検出に関して:電磁波と重力波との相違点

 アインシュタインの一般相対性理論によってその存在を予言されていた重力波は、連星パルサーの公転周期の変化によって間接的には存在が示されていましたが、直接観測は極めて困難だろうとされてきました。しかしながら、近年の観測技術の進歩は目覚ましく、ついにアメリカの観測チームが重力波の検出に成功したというニュースが大きく報道されています。常識的には観測不可能と思われるほどの微小な長さの変化が測定可能となっている現在の技術進歩に改めて驚かされました。
 重力波は質量による時空そのものの歪みが波として伝わるものであり、大質量天体の回転や振動がその発生源となります。これは電磁波の発生機構と同様の原理であり、そこまでは今回の科学報道でも大抵触れられているのですが、実は電磁波と重力波との発生機構には大きな違いが一つあります。それは質量には負の値が存在せず、質量と慣性とが等価であるという理由に基づくものです。電磁波を発するのは正と負の電荷の対(双極子)の回転や振動ですが、大質量天体の対の場合両方の質量が正であり、振動や回転をしてもその重心の位置はまったく変わりません。そのため双極子モーメントは変化せず、この分の重力波発生への寄与は存在しません。実際には両方の天体の距離が0でないため、その間に働く重力も伝わるのに非常に短いが有限の時間がかかり、その遅れによって四重極モーメントが変化して、これによって重力波が発生する事になります。これが重力そのものの弱さと相まって、巨大質量天体であってもそれが発生する重力波が微小であり、観測が困難である事につながっています。また電磁波と異なり重力波が四重極波動である点は、重力を量子化した重力子の性質にも、そのスピンが2であるという形で表れています。
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