「第五惑星の娘たち」か、それとも「デッドゾーン」か -- アメリカ大統領選挙

 「第五惑星の娘たち」は、1955年に書かれた(リチャード・ウイルスン)SF小説で、日本では1965年に創元推理文庫から出版されています。粗筋は以下のブログに詳しく書かれています。イクシーの書庫:第五惑星の娘たち
1999年(書かれた時代では近未来)のアメリカは大統領を始めとするほとんどの公職が女性で占められた女天下となっていた、そこに異星からの侵略があって・・・という女性の社会進出を揶揄している作品なのですが、現在の目で見ると真面目に読める内容ではなく、私自身も最後まで読み通すのが苦痛なほどでした。それをここで取り上げたのは、内容にはほぼ関係のない「なぜアメリカで女天下が実現したか」というきっかけの点に関してです。
 ある年の大統領選挙で、二大政党がどうしようもない腐敗政治家とゴリゴリのタカ派軍人をそれぞれ候補に指名した結果、第三党の女性候補が当選し・・・というのがその経緯なのですが、これが現在進行中の大統領候補者選びにかなりシンクロしています。基本的に米大統領選挙の現システムは二大政党以外に極めて不利であり、通常はまったく勝ち目はないのですが、もし共和党でトランプ、民主党でサンダースが選ばれたら第三党の候補に勝機があるのではと思われ、実際にブルームバーグが出馬の可能性を見せていました。(個人的にはサンダースを支持したいのですが、実際に候補になっても民主党の票をまとめられないでしょう。)現状ではクリントンが苦戦しながらも民主党候補になりそうなのでブルームバーグも出馬を見送り、この「第五惑星の娘たち」のシナリオはほぼなさそうです。
 一方でより現実味があって恐ろしいのが、スティーブン・キングの名作ホラー「デッドゾーン」へのシンクロです。この作品に登場するスティルソンは、敵を作り憎悪と分断を煽るその手法や支持者の過激な行動が現在共和党の候補者選びでトップを走るトランプを思わせる人物であり、主人公の超能力者は彼が大統領となり世界を破滅に導く近未来を観て、それを変えるためにスティルソンの暗殺を決意します。現状では例えトランプが共和党の指名を獲得しても本選挙ではクリントンに勝てないとは思いますが、クリントン自身もメールスキャンダル等の弱点を抱えており、今後さらにスキャンダルが出れば失速しかねない状況です。「デッドゾーン」はかなり有名な作品なので、トランプとスティルソンの相似に気付いている人はアメリカでもかなり多いと思うのですが、それを公言する事は「トランプを暗殺して排除せよ」と示唆する事につながるので、責任ある立場の人は言えないのかもしれません。
追記:ここにきてワシントンDCとワイオミングでトランプが大敗し、彼の勢いがやや止まった感があります。彼を支持する政治集会での反対派との衝突が大々的に報じられ、それがまたデッドゾーンでのスティルソンをいやが上にも連想させる結果になった事が効いているのかもしれません。15日のフロリダとオハイオの両方でトランプが敗れれば流れが大きく変わる可能性が高いのですが、逆に両方で彼が勝つと、もはや共和党の指名獲得は阻めないのではないかと思います。
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