一連の将棋ソフト不正騒動に関しての感想

 「対局中にスマートホンによって将棋ソフトを使用した」として三浦九段が年内の対局停止処分を受けてからの一連の騒動が、将棋連盟の新会長就任によって一旦の小休止を得たこの時点で、私がこの件に関して感じた事を書いてみます。私自身は昔は将棋をたしなんでいたものの、ここ数十年はほぼ指していない全くの部外者ですが、その分事件の当事者に対する思い入れ等がほぼなく、所謂「岡目八目」で外野から騒動を見る事ができたと思います。

 まず将棋連盟が三浦九段に対局停止の処分を下した時点で、私を含め多くの人の感想は、連盟が事実上の「クロ」判定ともいえる対局停止処分を下す以上、ほぼ間違いのない不正の証拠があるのだろう、というものでした。ところがその後の第三者委員会による調査で、不正の証拠と言えるものは全くなく、それどころか対局中の30分の離席等の状況証拠さえ実は事実無根であり、三浦九段が不正を行ったと判断できる根拠は一切ない事がはっきりして、その結果谷川会長の辞任とその後の佐藤新会長選出という事態になった訳です。
 ここで問題なのは、なぜ証拠がない状態で連盟が三浦九段の処分に踏み切ったのかという点です。これは羽生との二枚看板棋士である渡辺竜王が竜王戦の直前に三浦の不正疑惑を週刊文春にリークし、彼の処分がなければ竜王戦のボイコットも有り得るとゆさぶりをかけた結果とされています。週刊文春はそれまで政治家を含む有名人の疑惑を再三取り上げ、しかもそれが事実だったという実績があるため、ここにそのような記事が載れば将棋界のダメージが大きすぎると判断した谷川会長ら執行部が、三浦九段処分に踏み切ったという経緯です。
 とにかく拙いのは、一方のみしかも竜王戦の対局者という利害関係者の言い分を鵜呑みにして処分に踏み切った点で、将棋で言えば大悪手を初手で打った挙句にそれに引きずられて凡ミスを重ねてあっという間に詰まされたといった体たらくです。こうなった以上、責任を取る立場の会長が辞任したのは当然として、外部から見て納得いかないのは、三浦九段が無実だったという結論にも関わらず、不当に彼を告発した渡辺竜王に処分が下されない点です。どこかで見たうまい比喩を使えば、渡辺竜王はトランプのダウトで三浦九段に「ダウト」を仕掛けたが、三浦はルールに従って札を出していた、したがってダウトに失敗した渡辺は当然ペナルティを受けるべきです。
 それからもう一人、Twitterで無責任な三浦クロ発言を繰り返した橋本八段にも処分が必要です。彼はまさにフェイクニュースを垂れ流して三浦に回復不能の損害を与えたわけで、その責任を取らなくてはいけません。この事件に関して、「三浦九段をクロと決定できる証拠がなかっただけで、シロと決まったわけではない」という主張はナンセンスであり、それを言い出したら無責任な噂を立てられたら最後、誰も自分の潔白を証明できない事になります。
 個々の棋士への処分とは別に、棋士の性善説を信じるのはもうやめて、対局中はスマホ等は触らせない、いかなる理由でも触ったらその時点で負けとする、といった大学入試と同様のルールを決めるべきでしょう。将来的にはウェアラブル端末を使わせないために対局室のシールドをするとかいう話にまでなるかもしれませんが、ここ一二年の人工知能の進歩ぶりからすると、数年後にはプロ棋士自体が商売として成り立たなくなるかもしれませんね。
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