レックス・ルーサーとドナルド・トランプ

 アメコミ(正確にはそのうちのDC世界)ヒーローであるスーパーマンの最も重要な敵役であるレックス・ルーサーは、「禿げ頭の天才科学者」だけではなく、アメリカを代表する巨大企業のオーナーさらに政治家としての属性も持っています。そして所謂DVユニバースにおいては、彼が米国大統領となりその権力を利用してスーパーマンを始めとするヒーローと対決するという一連の作品群が存在しています。例えばこのブログで取り上げた「より良き世界」とそこから続くカドムスアークの作品は、やや変則ではありますがその世界線の物語です。
 さてトランプ大統領の就任以降、現実の米国がルーサー大統領の米国に重なるとか、トランプ大統領よりルーサー大統領の方がましだ、などの半ば冗談交じりの嘆きがネット上で見られています。しかしながら、おそらく彼らが思っている以上にトランプとルーサーとの相似は近く、この先の世界の混迷は冗談では済まないかもしれません。
 天才的な頭脳を持つルーサーに対して、現実のトランプ大統領はとてつもない馬鹿であるというのがかなり多くの反トランプ陣営の見立てのようですが、実はそれは完全な誤りです。もちろん彼には全く教養がないのは彼の暴言のレベルで明らかですし、その点がオバマ前大統領と対照的でまた多くの教養人を不快にさせる原因となっています。しかしそれはあくまで「教養」の話であり、実は彼は相当に頭が良い、少なくともヒトラーと同様に自分の言動によって大衆がどのように反応し、それによって状況がどう変わっていくかを熟知して発言を使い分け、民衆を操る「言葉の天才」です。
 彼の真の危険さは愚かさではなく、頭の良さをすべて自分の利益のために使っている点です。公共の利益と自らの利益との方向性が一致していれば問題ないですが、両者が相反すれば躊躇い無く自分の利益を優先する、そのような人物が大国の指導者となった点が非常に危険です。もし自分の利益となるのなら核戦争を起こす事もやりかねない人物でしょう。
 彼が大統領に当選した直後には、反トランプ派からの猛烈な拒否反応だけではなく、トランプ支持あるいは容認側からは、一見すると論外な人物にみえるが実際に就任すればレーガンに似たかなり良い大統領になるのでは、という希望的意見が聞かれました。しかし実際に彼が就任してこれまでの言動や行動を見ると、それは余りに甘すぎる想定だったようです。今後四年間、世界と米国がどのようになっていくのか想像がつきませんが、確かに現実がコミックに追いつくあるいは追い越す事が起こってしまったようです。

スポンサーサイト

テーマ:雑記 - ジャンル:学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

X^2

Author:X^2
このブログは、旧ブログ
Babylon5以外のメモ
からの移転先として立ち上げました
。連動するホームページである
Babylon5 Episode Guide
にもどうぞ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
リンク