NASAの外惑星探査に関する3題

最近は太陽以外の恒星をめぐる惑星(系外惑星)に関するニュースが盛んに報じられていますが、ある程度以上詳しく調べられるのはまだまだ太陽系内の天体に限られており、ましてや探査機による接近調査が可能なのはその中でも限られた天体にすぎません。そして木星以遠の外部太陽系への探査機に関しては、現時点ではまだNASAの独擅場です。今回はそれらの探査機に関する最近の話題です。

1. 一昨年7月に冥王星探査を行ったNew Horizons探査機は、その後も探査データを地球に送り続けていますが、その他の太陽系外縁天体の探査も引き続き行っており、特に重要なのは2019年1月1日に予定されている2014 MU69への近接調査です。4月3日に冥王星から2014 MU69までの道のりの中間点を無事に通過し、残りの行程は8億km弱となっています。なお、太陽からの引力によって探査機はわずかずつ減速しているため、日程上の中間となるのは5日ほど後の4/8です。
探査機「ニューホライズンズ」、次の目標までの旅は残り半分
 目標天体である2014 MU69は、直径が30--45km程度と冥王星よりはるかに小さいためHSTでなければ観測不能であり、現時点でもほぼ何も解っていない天体です。サイズで言えば冥王星の小型の衛星と同レベルですが、それらとは異なりおそらく形成されて以降他の天体と接近した事がないと思われ、この探査によって外縁天体に関する未知の情報が得られることが期待されるでしょう。

2. 2004年から13年に渡って土星の滞在型探査を行っていたCassini探査機ですが、ついにその最後のミッションを迎える事になりました。
探査機「カッシーニ」のグランドフィナーレ
VoyagerやNew Horizonsが目標天体の近くを通過するわずかの期間に探査を行ったのに対し、以前に木星探査を行ったGalileoと共に、このCassiniは目標天体の周回軌道に入って長期に探査を行う滞在型探査機です。周回軌道に入るためには目標天体との相対速度を通過型と比較してはるかに小さくする必要があるため、目標天体への到達に時間を要するだけではなく様々の困難があり、現時点では天王星以遠の天体に対する滞在型探査機計画は具体化していません。
巨大ガス惑星の滞在型探査機は、燃料やバッテリーが切れて制御ができなくなる前に必ず惑星大気へ探査機を突入させて処分する事になっています。これは確率は低いものの、生命の存在可能性のある衛星に探査機が衝突して地球由来の微生物等で汚染させないための処置です。そのためCassiniも今年9月に土星大気に突入させる事が決まっています。その前の最後のミッションが「グランドフィナーレ」であり、これまで探査していなかった土星本体と環の間の隙間領域を飛行し、土星の磁気や重力分布の詳細を調べたり、環の構成物質や土星大気のサンプルを取るなどの調査を行う予定です。

3. 最後は2020年代に予定されているエウロパ探査機に関する記事です。
エウロパ探査計画の正式名称は「エウロパ・クリッパー」
木星の衛星であるエウロパは、土星の衛星エンケラドゥスと共に表面を覆う氷の下の大洋に生命が存在する可能性のある天体として注目されており、詳細な探査が待たれていました。エウロパ・クリッパーでは、探査機を木星の周回軌道に乗せて二週間毎にエウロパに40--45回接近して組成や内部構造を調べ、生命の存在に必要な条件が存在しているかを調査する事になっています。ただ何分にもトランプ政権発足後にNASAも予算削減の荒波をかぶっているようで、以前の記事に書いた有人月探査計画が最優先される事を考えると、果たしてこのエウロパ・クリッパー計画が本当に実現するかは予断を許さないのではないでしょうか。
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