忘れられた人々  (ルイス・ブニュエル監督:メキシコ映画)

 このブログですでに何回か紹介しているルイス・ブニュエル監督の、かなり初期(1950年)の映画です。
 繁栄する大都会の片隅でその繁栄に取り残された貧しい人々の惨めな生活を描いたこの作品は、ラストまでほぼ全く救いがなくひたすら暗い展開に終始します。不良グループのリーダーであるハイボの悪ぶりは半端ではなく、感化院を脱走して戻ってきた彼は以前よりさらに悪くなってついには殺人に手を染め、最後は待ち伏せしていた警官に射殺される事になります。一方で、何とかグループから抜け出しして真面な生活に戻ろうとする主人公ペドロはハイボとの関りを絶てずに転落して行き、唯一自分を信用してくれた感化院長の期待に応えようとしてハイボと対立した結果、彼に殺されるという悲惨な運命には、何ともやりきれなさを感じます。しかしながら、考えてみれば悪い環境を努力で克服して更生するというヒューマンドラマ系美談は実際にはきわめて稀で、このような結末の方がはるかに現実的なのかもしれません。
 一見善人に見えた街角に置き去りにされた少年を保護した老芸人も実はかなり横暴な人物だったり、またペレスの死体を自分の家の納屋で発見した老人も関わり合いを恐れて死体をゴミ置き場に捨ててしまうなど、虐げられた側の人々の心の荒み具合もはっきりと描写しています。その老人の孫の少女メチェと老芸人に保護されていた捨て子の少年との別れの場面のみが、今回私が観て唯一ほっとしたところでした。
 この作品のあらすじは以下をご覧ください。忘れられた人々
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