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これまでになく驚かされた投書

 日曜日の朝日新聞朝刊に掲載される「フォーラム」欄は、通常の投書欄とは異なり賛否が分かれる一つのテーマについて賛成反対さらにはその中間などのさまざまな立場からの投書を一度に掲載する企画で、当然の事ながら社論とはかけ離れた意見も掲載されています。自分とは全く相いれない立場からの主張であっても、なるほどこのような論理なのだなとか、このような見方もできるのかと考えさせられるものもあり、不快に感じる事がありながらも読む価値があると思っています。今日は沖縄の基地問題がテーマだったのですが、その中でさすがに驚かされた暴論があったので、以下に全文を引用してみます。

沖縄の基地は選挙のテーマではなく、存在、集中は当然である。沖縄は地理的に日本防衛の要であり、他府県に基地を設ける弊害を避けるため集中して配備すべき。沖縄に発砲すれば日本と同時に米国も敵に回すことになることが重要だ。先制攻撃すら出来ない自衛隊では周辺国になめられるだけである。勝手に自国の領土だとして侵攻してくる例が近隣に多数存在することを見れば、強力な米軍がいることは大変ありがたいことである。発言の自由すら無い近隣の他国の支配を望むなら別だが、沖縄は日本国全体のために、補償無しで強力な米軍基地を快く受け入れることこそが唯一の方法である。 (京都府・60代男性)

 短く纏めてしまうと、「多数者の利益のためには少数者は喜んで犠牲になるのが当然であり、異論は認めない」という主張です。あまりの内容に、ジョナサン・スウィフトの「アイルランドにおける貧民の子女が、その両親並びに祖国にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案」と同様の反語表現なのかと思ったくらいですが、それならそうと判る「あり得なさ」がなく、どうやら本気で信じての意見表明のようです。
 ここ数年の傾向として、以前だったら決して許されなかった暴言や暴論が政府要人やその周辺の人々から発せられ、そのまま大きな非難を受けることなく見逃されてしまう事が普通となっていますし、一部の政治家の本音は正に上の主張と同じではないかとも感じています。しかしこのレベルの暴論は、ネット上では見かける事があってもこれまで新聞等の活字になっているのは見たことがなく、本音がそうであっても公の場で口にすることは現在でもさすがに許されない、少なくとも口にできないと思っていました。「沖縄に基地が集中するのは地政学的に仕方ないので、お金は弾みますから申し訳ないけれど沖縄は我慢してください」という主張はこれまでも結構多く見ましたが、「補償無して快く受け入れろ」という主張が堂々と公の場で出るとは、これまで色々な文章を読んできてこれまでになく驚き、ついに日本社会はここまで来てしまったのかと呆然とさせられました。
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