本田鹿の子の本棚

 以前に紹介した「干支戦士チアラット」と同じWeb Comicサイト「LEED Cafe」に掲載されている漫画で、現時点で単行本が1冊出ています。自分を露骨に無視するようになった思春期の娘を持つ父親が、文学少女である娘との接点を探ろうと彼女の部屋に侵入し、彼女の本棚の本を手当たり次第に読むという設定のこの作品は、実際の各話は父親が読んだ短編小説の粗筋がコミック化された部分と、その内容と関連した外部世界での父親の行動(というより暴走)が描かれています。現時点で公開されているのは、第一話と十三話以降の以下のタイトルです。
1. 恋田 敬:女に火をつける男 より「女に火をつける男」
13. アダム 竹中:ネゴシエーターII より「ゴエモン&ガンタンク」
14 鈍色 空:プロジェクト21XX より「抗徹巨人 ダギオス」
15. 邪画 曲:Be Gentleman より「おつかいは はじめてか?」
16. 角田 偽史:黒山羊高校 オカルト研究会 より「猿の手編」
17. 角田 偽史:黒山羊高校 オカルト研究会 新装版 より「猿の手編」
18. 田中丸 大砲:ドクトルクランケ航海記 より「ジパング」
19. 右国 虫太郎:シロアリ アントン 風来記 より「シロアリ飯」
20. 間 翔間:ルナティック トラベラー より「超能力少年 紀岡」
21. 不帰 離人:仙境遺文 より「神隠しのサイコ」
22. 佐世保 海路:ダークエンジェルス より「漫画家 内田拳紫郎 インタビュー」
23. 松平 只輝:さだのぶのあにまるぷらねっと より「猫カフェ」
24. テロメア 未明:赤い人魚館 より「星霜の人」
25. 宍戸 獅子丸:男とはなんぞや より「男のデスゲーム」
26. ガトー・イーグルトン:狂王ガルザーシリーズ① より「豚肉の下に侍る者達」
27. マスクド 乱世:君たちはどう生きていくか プロレス編 より「マッドプロレス20XX」
28. 遊星 静止:幼年期が終わらずに より「セカイ系」
29. 羽多田 オパオパ:肌色友戯 より「ミユっちとチカ公」


すぐに解るようにこれらの本と著者はすべて架空のものであり、紹介されている短編はすべて「本田鹿の子の本棚」の作者自身が書き下ろした短編漫画です。その内容がどれもこれもダークというかかなり壊れた話ばかりで、基本的には有名な既存作品の設定をごちゃまぜにしたり、お約束の展開を歪めてみたりして、どれもこれもかなり狂ったある意味恐ろしい結末になっています。例えば25話の「男のデスゲーム」は昨今の漫画でありがちな「無理やりデスゲーム」に巻き込まれたのが「男塾」だったらどうなるかという話で、あまりにもテンプレな展開による「男塾」の勝利が描かれ、ネット上でかなりの反響があった模様です。また28話の「セカイ系」なら、本のタイトルではA.C.クラークの名作SFを連想させますが、実際には(著者の名前から解るように)「地球が静止するとき」の設定とありがちなセカイ系コミックのパロディをごちゃまぜにしてさらに一ひねりした怪作です。「抗徹巨人 ダギオス」は、唐突な宇宙人の侵略による地球滅亡の危機と、それに対する秘密兵器が謎エネルギーによるスーパーロボット、そして「博士の裏切り」という点が一致している「宇宙帝王ゴッドシグマ」が元ネタでしょうね。二話連続の形になっている黒山羊高校 オカルト研究会「猿の手編」ですが、もちろんタイトルと同じ題名の傑作短編小説の設定を借りて、前半のラストで第三の願いとして「時間巻き戻し」を選択した結果が後半の展開となっており、メタ的には前半の展開をネット上で叩かれて凹んだ作者が展開を書き直して新装版を出したという設定です。斜め上の超展開を乱用して結果的に話がグダグダになりがちな多くのコミックを揶揄した作品です。
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