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生と死のキョウカイ (小倉考俊 作:となりのヤングジャンプ)

 「ワンパンマン」の掲載されているサイト「となりのヤングジャンプ」で、今月19日まで全作公開中のwebコミックです。上手とは言えない作画に対し作品の世界観と構成はかなりしっかりしており、現時点で17話という比較的短編である事も逆に幸いして中々読ませる作品となっています。ただ、途中でかなり話が飛んでいる感があり、物足りなさがあります。
 ファンタジー世界で勇者が魔物と戦うゲームの「戦いに負けて死んだ勇者はスタートに戻って生き返る」という仕様を、実際に蘇生の判断をする「教会システム」という形で描いたこの作品は、蘇生の必須アイテムである「聖水」の謎をテーマとして一気に深刻な展開となっていきます。以下はネタバレとなるので、追記として記載します。
 蘇生処置に必須である「聖水」は誰かの命を奪う事によってのみ得られ、誰かが生き返るためには、その命の分の犠牲者が必要である、という設定は余りにシビアで、ある意味安易に「蘇生」が描かれているファンタジー系コミックやアニメでは考えにくいのですが、米Sci-FiドラマのBabylon5に、極めて似た話があります。Babylon5 #9 "Deathwalker" この話では、人体実験を繰り返して不老不死の秘薬をほぼ完成させた戦犯科学者が同様の真相を口にし、「誰かが不死を得るためには誰かを殺さなくてならず、 互いに殺し合いをして生き続けるのだ。 我々を怪物と思っているあなた方も、我々と同じようになる。」と嘯きます。
 こちらの作品でもほぼ同様に、嘗てこの薬を完成させた科学者が王となり、自らは完全な「聖水」を使って永遠に生き続けています。そして人間以外の生物成分の混じった「聖水」によって蘇生された者たちは、いずれ人間の姿を保てなくなって怪物(魔物)と化していき、人間側の討伐対象とされています。実は一見するとファンタジー系に見えるこの世界は、現実世界と同様の科学に支配された社会が滅びたのちの世界であり、王と対立する魔物を率いる魔王もまた、王の同僚の科学者の成れの果てでした。そのためこの世界の魔法は、一見魔法のように見えても科学的な裏付けのあるいわば「科学魔法」のはずで、例えば蘇生機を働かす呪文はおそらく起動のためのパスフレーズなのでしょう。ただ、肉体が残っている状態からならともかく骨からでも蘇生できてしまうとか、5話でハッツの唱えた呪文による「設置型凍結魔法」あたりは、「科学魔法」としては無理がありすぎるように感じ、作者がそこまできちんと詰めていなかったのでしょう。
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テーマ:アニメ・コミック - ジャンル:アニメ・コミック

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