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ベテルギウスの減光と超新星爆発の可能性

 ブログタイトルにある「宇宙」に関する記事がほぼ1年途絶えていました。もちろんその間にも、天文関係のさまざまな話題があったのですがうまく文章を纏めるのが億劫で書きそびれていたのですが、今回の話題はそれほど長い文章でなく済むものです。
 すでに一般紙やネットニュースでも報じられている通り、オリオン座のアルファ星であるベテルギウスが近年まれにみるレベルまで減光しており、一部では超新星爆発の前兆ではと大げさな話になっています。ベテルギウスはもともとが半規則型のSRC型脈動変光星であり、大まかに0.0等から1.2等まで実視等級が変化していますが、今回はその幅を超えて1.4等級以下まで減光し、1等星の範囲からはみ出す寸前です。実際ちょうど冬の星座として夜半前に南天に見えるオリオン座を眺めると、オリオンの左肩にあるベテルギウスは右肩のベラトリックスとほぼ同じ明るさに見え、通常の見え方とはかなり感じが違っています。
 しかしながら、今回の減光が超新星爆発の前兆ではというのはかなり無理があります。確かにベテルギウスは大質量の赤色超巨星であり、天文学的レベルではそれほど先でない未来にII型超新星爆発すると考えられています。しかしそれはあくまでも「天文学的」時間スケールで見た場合であり、1-2年といった日常的タイムスケールでの近未来の話ではありません。そもそもII型超姿勢爆発の直前にその星が大幅な減光をするという理論的予想はされていません。
 実のところ、ベテルギウスのような大質量赤色超巨星が爆発して起こるII型超新星は、超新星全体のごく一部にすぎません。大多数は、連星をなす白色矮星にパートナーの恒星から水素が降着して質量が増し、チャンドラセカール限界を超えて爆発するI型超新星であり、次に銀河系で観測される超新星もそちらの可能性が高いでしょう。ただ問題は、その候補星が赤色超巨星よりもはるかに見つけ難い点であり、そのためどうしても超新星爆発というとベテルギウスの方が話題になってしまうようです。

追記: この記事を掲載した後もベテルギウスの減光は続き、2月にはついに2等星に陥落したようです。
2等星に陥落!ベテルギウス減光のゆくえ
一方で本来の脈動周期400日から計算するとそろそろ極小期を過ぎるはずなので、これ以上の減光があるかどうかが注目されます。(2020/2/16)
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テーマ:星・宇宙 - ジャンル:学問・文化・芸術

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