ST-ENT #82

 StarTrek Enterprise第四シーズンの第六話、優生人類三連話の締めくくりの回です。邦題でも明らかなように、Soong博士にも手に負えなくなった優生人類たちが暴走の後に全滅するという予想通りの悲劇の結末に終わりました。この三話は全体的に重苦しく、暗さが目立ちましたが、今回はそれが際立っていたように思います。最初の"Borderland"ではこれが良い意味での緊迫感に繋がっていたのですが、"Cold Station 12", そして今回と進んでゆくにつれ、緊迫感がだれて来て単なる暗い話に変ってきたように感じます。
 今回の展開は、とにかく結末に持って行くためのご都合主義が目立ちました。Malikたちの奪ったBird-of-Prayが意外と弱く、まともに戦ってはEnterpriseにはとても叶わなかったり、EnterpriseがKlingon領内に簡単に侵入できたうえに、相手の戦艦をあの程度の小細工で行動不能に追い込めたりと、Klingon側の弱さが目立ちます。また、Malikが先に発射した魚雷に後から撃った魚雷が追いついて破壊できてしまうのは、いくら何でもおかしいのではと感じます。さらにMalikがArcherを殴って一撃で壁に叩きつけたりしがなら、なぜか止めを刺さずに結局逆襲されてしまうのも、主人公が殺される展開は有り得ないから仕方ないとは言え、全くのご都合主義ですね。そういったアラが目に付いてしまうのは、優生人類たちの魅力の無さによるものでしょう。今回の流れは特に、力ばかり強いが思慮の欠けたごろつき集団が、全く意味のない破壊行為を続けて警察に追われた挙句、さらに仲間同士でも殺し合って最後には自殺行為で滅びた、とでも言うしかない情けない結末でした。
 もちろん部分的にはTOSに登場したBotany BayとKarnの名が言及されたり、再び囚われの身となったA.Soongが今度はアンドロイドの研究を始め、後に子孫のN.SoongがDataらを創造する展開につなげるなど、ファンにとっては楽しめるネタは色々有ったのですが、全体的な評価としてはこの三話の中では一番下と感じました。
 優生人類をひたすら暴力的に描いたのは、宗教保守派を中心とするアメリカ社会の、生命工学に対する懐疑的意識が影響しているのでしょう。それからもうひとつ、ドーピングによって記録を伸ばした反動で精神に異常をきたす選手が後を絶たないスポーツ界の現状も投影されているように感じました。
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